こんにちは、編集チームのH.S.です。
中国ではコロナ前よりオフラインからオンラインへのシフトが加速し、オンラインショッピングは既に生活に不可欠な一部として定着しています。実は中国では、ECプラットフォームの広告市場は一位なのです。今回は、前編後編に分けて中国ECプラットフォームにおけるマーケティングインサイトついてご紹介します。前編では、中国のECプラットフォーム広告市場について解説します。
目次
(1)中国インターネット広告市場全体のNO.1を占めるのは「EC関連広告」
(2)中国ECプラットフォーム広告費の規模
(3)中国ECプラットフォーム広告種別構成比
(4)EC広告は、中国メーカーのマーケティング目標と相性が良い
(5)ECプラットフォームで広告配信される商品カテゴリーTOP5
(6)おわりに
(1)中国インターネット広告市場全体のNO.1を占めるのは「EC関連広告」
下図はiResearchが企業公表決算書を元に作成、推測した2015年~2022年の中国のカテゴリー別インターネット広告市場シェアを示しています(2020年以降は予想数値)。図中の水色がECプラットフォーム広告で、2019年時点で37.8%と中国のインターネット広告全体の市場において最も大きなシェアを占めています。
<注釈>
黄緑:検索エンジン広告 緑:ポータルサイト広告 深緑:バーティカルメディア広告 水色:ECプラットフォーム広告 青:オンラインビデオ広告 薄ピンク:ソーシャル広告 ピンク:ある種情報に特化したメディア広告 オレンジ:ショートビデオ広告
(2)中国ECプラットフォーム広告費の規模
トッププレイヤーであるアリババ、京東(ジンドン)、拼多多(ピンドゥオドゥオ)の牽引により、中国ECプラットフォーム広告費*は年々上昇し、今後もさらに伸びると予測されています。
2019年中国ECプラットフォーム広告費は2,259億元(約3.4兆円)で、2020年は2,830億元(4.2兆円)、2021年は3,477億元(5.2兆円)、2022年は4,174億元(6.3兆円)に達成すると予測されています。売上高は年々増える一方、市場が成熟しつつあるため、成長率は緩やかに減少しています。しかし、株式会社電通が発表した2020年の日本の物販系(生活家電・雑貨、書籍、衣類、事務用品など)ECプラットフォーム広告費1,321億円と比較すると、いかに規模が大きいことがわかります。
*中国ECプラットフォーム広告費は、B2C、C2CのECプラットフォームによるディスプレイ広告、検索広告、インフィード広告、ライブコマース広告収入などを含む総額
<注釈>
黄緑:売上高 水色:成長率
(3)中国ECプラットフォーム広告種別構成比
下図は、中国ECプラットフォームの広告種別構成比を示しています(2015年~2022年/2020年~2022年は推測値)。最も多くの割合を占めているのは、検索型広告(図中の黄緑)です。ECプラットフォームでは、「検索→選択→購入」という流れが一般的なので、検索型広告が大きな割合を占めていると考えられます。また、ライブコマース(図中の青)が2018年より台頭して以降、割合が増えてきているのが特徴的です。
<注釈>
黄緑:検索型広告 緑:ディスプレイ広告 深緑:インフィード広告 青:ライブコマース 黄色:その他(ガイドマーケティング、コンテンツマーケティング等)
(4)EC広告は、中国メーカーのマーケティング目標と相性が良い
ECプラットフォームは広告主の広告配信データと生活者行動データを保有しているため、精度の高いターゲティングが可能です。また、検索やディスプレイに加え、ショート動画やライブコマースなどの広告の種類があり、広告主の様々なマーケティング活動に対応しています。2019年、広告主向けに実施されたiResearchの調査によると、中国メーカーが掲げるマーケティング目標第一位は「売上を倍以上に増加」、第二位は「精確なマーケティングによりブランド価値を上げること」でした。このようなマーケティング目標を達成させるにあたり、ECプラットフォームでの広告配信は様々な形式で的確に生活者へ情報を届け、ブランド価値向上、購入へ繋げることが可能なため、中国メーカーのマーケティング活動との相性は良いです。
(5)ECプラットフォームで広告配信される商品カテゴリーTOP5
2019年1月~2020年3月、中国ECプラットフォームによる広告配信指数から導き出された商品カテゴリーTOP5を示しています。
1位:スマホ
2位:アクセサリー、ジュエリー
3位:自動車
4位:化粧品
5位:オンラインショッピングサービス
<注釈>
黄緑:消費型電子製品類 緑:交通類 深緑:リテール&サービス類 水色:通信サービス類 青:IT製品類 紺色:食品飲料類 黄色:パーソナル用品類 オレンジ:インターネットサービス類 薄ピンク:化粧品&浴室用商品類 ピンク:インテリア類
(6)おわりに
本記事では、中国のECプラットフォーム広告市場について解説してきました。後編では、中国ECプラットフォームにおける広告の種類について紹介します。
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